SAM Vシリーズは、Microchipのマイクロコントローラです。SAM Vシリーズは、最大1500 CoreMarkを提供するCortex-M7を搭載した高性能なマイコンです。自動車アプリケーション向けに設計されています。
SAM Vシリーズの仕様
SAM V70 | SAM V71 | |
---|---|---|
CPUコア | Cortex-M7 | Cortex-M7 |
自動車製品への使用 | Yes | Yes |
最大CPU速度(MHz) | 300 | 300 |
最大プログラムメモリサイズ (KB) | 1024 | 2048 |
最大SRAM (KB) | 384 | 384 |
DRAMインターフェース | sdram | sdram |
SDIO/SD-CARD/eMMC(最大) | 1 | 1 |
温度範囲 | -40 to 105 | -40 to 105 |
動作電圧範囲 | 1.7V – 3.6V | 1.7V – 3.6V |
ダイレクトメモリアクセスチャンネル(最大) | 24 | 24 |
ADC入力(最大) | 24 | 24 |
最大ADC解像度 | 12 | 12 |
DACの数 | 1 | 1 |
USBインターフェース | High speed | High speed |
USBモジュールの数 | 1 | 1 |
コンパレータの数(最大) | 1 | 1 |
タイマー | 12 x 16-bit 0 x 32-bit |
12 x 16-bit 0 x 32-bit |
キャプチャ/比較/PWM/周辺機器 | 8 -Std. PWM 16-bit PWM resolutions 8 -Input Capture
24 -Std. PWM 16-bit PWM resolutions 24 -Input Capture |
8 -Std. PWM 16-bit PWM resolutions 8 -Input Capture
24 -Std. PWM 16-bit PWM resolutions 24 -Input Capture |
モーター制御PWM出力(最大) | 17 | 17 |
UART/SPI/I2C(最大) | 8 -UART 5 -SPI 3 -I2C | 8 -UART 5 -SPI 3 -I2C |
I2S(最大) | 3 | 3 |
周辺ピンセレクト/ピンマルチプレクサ | 〇 | 〇 |
QSPI(最大) | 1 | 1 |
直交エンコーダ インターフェイス(最大) | 0 | 4 |
暗号エンジン | 〇 | 〇 |
CANモジュールの数(最大) | 2 | 0 |
CANモジュールのタイプ | CAN-FD | CAN-FD |
Ethernet | なし | Ethernet AVB |
ピン数(最大) | 144 | 144 |
パッケージ | 100/LQFP 100/TFBGA 144/LQFP 144/TFBGA |
100/LQFP 100/LQFP 100/TFBGA 144/LQFP 144/TFBGA |
出典:New/Popular SAM V 32-bit MCU Products
SAM Vシリーズとは
SAM Vシリーズの特徴
ARM®ベースの自動車用マイクロコントローラーは、オーディオアンプ、テレマティックコントロールユニット、ヘッドユニットの車載インフォテインメント接続に焦点を当てています。 SAM V ARM Cortex®-M7ベースのマイクロコントローラーシリーズは、イーサネットAVB、MediaLB、USB、CAN-FDなどの接続インターフェイスの最高の組み合わせと、最大1500のCoreMarksを提供する最高性能のARM Cortex-Mコアを提供します。
原文は、以下の通りです。
ARM® – based Automotive Microcontrollers focus on in-vehicle infotainment connectivity for Audio Amplifiers, Telematic Control Units or Head Units. The SAM V ARM Cortex®-M7 based Microcontroller series provides the best combination of connectivity interfaces including Ethernet AVB, MediaLB, USB and CAN-FD along with the highest performance ARM Cortex-M core delivering up to 1500 CoreMarks.
SAM Vシリーズは、DSP機能を備えたCortex-M7を搭載した高性能なマイコンです。SAM VシリーズのCortex-M7コアは、最大1500 CoreMarkを提供します。
DSP(デジタルシグナルプロセッサ・Digital Signal Processor)とは
DSPとは、積和演算の高速な処理に特化したプロセッサのことです。主にオーディオや画像の信号処理や、モータの制御、計測、遠隔通信などの処理において使用されています。
SAM Vシリーズは、自動車部品のメーカーに要求される品質マネジメントシステムである、国際規格ISO-TS-16949の基準を満たしています。
SAM Vシリーズのラインアップ
SAM Vシリーズのラインアップは、以下の通りです。
- SAM V70
- SAM V71
SAM V70
SAM V70は、自動車アプリケーション用途向けに設計されています。
ペリフェラル(周辺機器)は、以下が含まれます。
- トランシーバーを内蔵した高速USBデバイス
- インプレース実行機能を備えたQuad SPIインターフェイス
- 3線式MediaLBデバイスインターフェイス
- 高速マルチメディアカード
- TDM用の同期シリアルコントローラー
- I2Sインターフェイス
- CMOSセンサーインターフェイス
SAM V71
SAM V71は、自動車アプリケーション用途向けに設計されています。SAM V71は、先ほど紹介したSAM V70の上位セットです。
SAM V70に含まれるペリフェラル(周辺機器)の他、IEEE1588、802.1Qbb、802.3az、802.1AS、802.1QavをサポートするイーサネットMACが含まれます。
SAM Vシリーズの入手方法
SAM Vシリーズのマイコンは、Microchipの正規販売店で購入できます。
SAM Vシリーズの開発環境
SAM Vシリーズに対応した代表的な開発環境は、以下の通りです。
- MPLAB ® X IDE
- IAR Embedded Workbench for ARM
- Atmel Studio
SAM Vシリーズの評価ボード
SAM Vシリーズの評価ボードは、以下の通りです。
ボード | 搭載マイコン | 特徴 | 対象 | データシート |
---|---|---|---|---|
SAM V71 Xplained Ultra Evaluation Kit | SAM V71、SAM V70 | オンボード組み込みデバッガが含まれているため、デバッグ用の外部ツールが不要 | すぐに開発をスタートしたい方 | SAM V71 Xplained Ultra Evaluation Kitのデータシート |
SAM V71 Xplained Ultra Evaluation Kitによって、SAM V71、SAM V70の評価・試作が可能です。SAM V71 Xplained Ultra Evaluation Kitは、オンボード組み込みデバッガが含まれており、デバッグ用の外部ツールは必要ありません。
以上の特長からSAM V71 Xplained Ultra Evaluation Kitは、「すぐに開発をスタートしたい」という方に最適の評価ボードです。
SAM V71 Xplained Ultra Evaluation Kitの価格・購入場所
SAM Vシリーズの対応OS
SAM Vシリーズに対応しているOSは以下の通りです。
- ThreadX
- FreeRTOS
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。 μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。
- 小さいフットプリント
- マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
- μC3/Configurator付属
- 選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮や、コーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートすることができます。
- 豊富なCPUサポート
- 業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
- 省電力対応
- デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。
詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。
μC3のライセンスの種類・詳細
ライセンスの種類
ライセンスの種類は3つあります。
- 研究開発用プロジェクトライセンス
- 開発量産用プロジェクトライセンス
- プラットフォームライセンス
研究開発用プロジェクトライセンス
研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。
研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。
有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。
開発量産用プロジェクトライセンス
開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。
有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。
プラットフォームライセンス
プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。
※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。
お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。
ポイント
- 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
- 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
- プラットフォームライセンス :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス
ライセンスの詳細
- ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
- 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
- 提供形態 :ソースコード
- 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
- 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
- μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています
ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。
保守について
製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。
また、年間保守費用は製品定価の40%になります。
無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)
*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。
保守サービスには以下が含まれています。
- メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
- 製品の無償バージョンアップ