
RZ/G1とは、ルネサスエレクトロニクス(以下、「ルネサス」)のプロセッサです。RZ/G1は、Cortex-Aを搭載し、最大1.5 GHzで動作する高性能なプロセッサです。また、3Dグラフィックス、フル HD 動画対応にも対応しています。
RZ/G1シリーズのラインアップ・仕様
RZ/G1E R877450 |
RZ/G1N R877440 |
RZ/G1M R877430 |
RZ/G1H R877420 |
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Core | Dual Cortex®-A7 | Dual Cortex®-A15 | Dual Cortex®-A15 | Quad Cortex®-A15 Quad Cortex®-A7 |
Operating Frequency | 1.0 GHz | 1.5 GHz | 1.5 GHz | 1.4 GHz 780 MHz |
Processing Performance | 3,800 DMIPS | 10,500 DMIPS | 10,500 DMIPS | 25,528 DMIPS |
Cache Size | L1 cache I/32 KB D/32 KBL2 cache 512 KB |
L1 cache I/32 KB D/32 KBL2 cache 1 MB |
L1 cache I/32 KB D/32 KBL2 cache 1 MB |
L1 cache I/32 KB D/32 KBL2 cache 2 MB (A15) 512 KB (A7)S3 cache 2 MB |
MMU | Yes | |||
NEON/VFP | SIMDv2/VFPv4 |
出典:RZ/G1 SERIES EMBEDDED MICROPROCESSORS
RZファミリとは
RZファミリは、ルネサス社製の32ビットおよび64ビットマイクロプロセッサー(MPU)です。Cortex-A7、A9、A15、A53、A57、およびR4を搭載しています。
RZファミリは、ネットワーク機能を強化しているほか、高速リアルタイム制御を実現しています。また、カメラ入力や音声入力などのHMIも豊富です。
HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)とは
人間と機械が情報をやりとりするための手段や道具の総称。コンピュータにおけるHMIは「ユーザーインターフェース(UI)」と呼ばれることが多い。
RZファミリのラインアップは、下記の通りです。
- RZ/A:機器制御・デジタルオーディオ信号処理等の高速化に特化
- RZ/G:高速I/Fを備えた多機能プロセッサ
- RZ/V:低消費電力で高速なAI処理が可能
- RZ/T:密結合メモリによる高速・高応答性を実現
- RZ/N:産業用イーサネットプロトコルをサポート
RZ/G1を含むRZ/Gは、高速I/Fを備えた多機能プロセッサシリーズです。
RZ/Gシリーズとは
RZ/Gシリーズはカメラ入力、3Dグラフィックス、ハイスペックなビデオコーデック、PCIe、GbEなどの高速I/Fを備えた多機能プロセッサです。システムプラットフォームとしてLinux OS環境を体系的に整備した「RZ/G Linuxプラットフォーム」を提供しています。このプラットフォームはLinux導入・運用管理コストを下げたいお客様、Linuxに不慣れなお客様にフレンドリーな環境をご提供するスキームです。
出典:64ビット & 32ビット ArmベースハイエンドMPU (RZ)
RZ/G1シリーズとは
高性能32ビットRZ/G1プロセッサは、1GHz以上のArm®Cortex®-Aコア、3Dグラフィックスエンジン、フルハイビジョン(HD)ビデオエンジン、セキュアIP、およびPCIe、SATA、SATA、Gbit Etherなどの高速インターフェイス、および産業分野の組み込み機器に必要なその他の周辺機能が搭載されています。
RZ/G1は、Cortex-Aを搭載し、最大1.5 GHzで動作する高性能なプロセッサです。
RZ/G1の特長は、以下の通りです。
- 最大1.5 GHzで動作する高い処理能力
- 3Dグラフィックス、フル HD 動画対応
最大1.5 GHzで動作する高い処理能力
RZ/G1は、デュアルまたはクアッドなCortex-Aコアを搭載しています。
マルチコアとは
マルチコアとは、1つのCPUの中に複数のCPUコアを内蔵する技術のこと。マルチコアのプロセッサは、複数の処理を並列しておこなうことで、シングルコアに比べ高い処理能力を実現している。コアを2つ搭載したものをデュアルコア、4つ搭載したものをクアッドコアと言う。
RZ/G1は、最大1.5 GHzで動作する高性能なプロセッサです。
3Dグラフィックス、フル HD 動画対応
RZ/G1は、3DグラフィックスおよびフルHDビデオのエンコードとデコードをサポートするハードウェアを搭載しています。これにより、GUIにおける表現力を高めます。
GUI(読み方:ジーユーアイ、グイ)とは
GUI(読み方:ジーユーアイ、グイ)は、「Graphical User Interface」の略。プログラムの操作画面の種類の一つ。テキストのほかに画像などが表示できるグラフィカルな表示システムのこと。代表的なGUIは、WindowsやMACのPCの操作画面。
また、フル HD の動画や3Dグラフィックスをストレス無く動作できます。
RZ/G1シリーズの入手方法
RZ/G1シリーズは、下記のルネサスの特約店・取扱店や、オンラインショップなどで購入できます。
RZ/G1シリーズの開発環境
RZ/G1に対応した代表的な開発環境は、下記の通りです。
- RZ/G1 Linux BSP
- DS-5
- e2studio
- IAR Embedded Workbench for Arm
RZ/G1シリーズの評価ボード
RZ/G1シリーズの評価ボードは、以下の通りです。
搭載MPU | 特徴 | 対象 | データシート | |
---|---|---|---|---|
iWave 開発キット | RZ/G1H、RZ/G1M、RZ/G1N、RZ/G1E | 量産ボードが提供されており、10年の長期供給を行っている | 将来的にiWave 開発キットをSoMとして使用して製品化したい方 | RZ/G1H (-PF) Q7 開発キットのデータシート |
AP-RZG-0A | RZ/G1E | 産業分野に必要な基本ソフトを、動作検証済みのパッケージソフトとして提供 | 短い開発期間でGUI操作や画像キャプチャに関する性能を評価したい方 教育・研修目的で使用したい方 |
– |
CAT845 | RZ/G1E | LAN や USB などの外部コネクタをボードの片面に配置、マイクロソフト VisualStudio2017でアプリケーションの開発が可能 | 将来的にCAT845を使用して製品化したい方、VisualStudio2017でアプリケーションの開発がしたい方 | – |
iWave 開発キット
iWave 開発キットは、アイウェーブ社製のSoMです。
SoM(読み方:エスオーエム)とは
SoMとは、システム・オン・モジュールの略。SoMとは、CPUやメモリなどが一体になったボードを指す。
70mm×70mmの小型、高性能な開発キットです。
開発キットが提供されており、すばやく評価を行えます。また、量産ボードも提供されており、10年の長期供給を行っています。
これらの特徴から、iWave 開発キットは、「将来的にiWave 開発キットをSoMとして使用して製品化したい」という方に最適の評価ボードです。
AP-RZG-0A
AP-RZG-0Aは、アルファプロジェクト社製の評価ボードです。
AP-RZG-0Aは、RZ/G Linuxプラットフォームである「RZ/G Verified Linux Package」に対応しています。
RZ/G Verified Linux Packageは、産業分野に必要な基本ソフトを、動作検証済みのパッケージソフトとして提供しています。このため、ソフトウェア開発負担を低減し、短い開発期間でGUI操作や画像キャプチャに関する性能を評価できます。
また、回路図をすべて公開しているため、教育用や研修用にも適しています。
これらの特長からAP-RZG-0Aは、「短い開発期間でGUI操作や画像キャプチャに関する性能を評価したい」という方や、教育・研修目的で使用したい方に最適の評価ボードです。
CAT845
CAT845は、シリコンリナックス社製の評価ボードです。
CAT845は、LAN や USB などの外部コネクタをボードの片面に配置しています。このため、量産・ケースへの組み込みが可能です。
また、マイクロソフト VisualStudio2017でアプリケーションの開発が可能になります。
これらの特長からCAT845、「将来的にCAT845を使用して製品化したい」、「VisualStudio2017でアプリケーションの開発がしたい」という方に最適の評価ボードです。
RZ/G1シリーズの対応OS
RZ/G1に対応している主なOSは、以下の通りです。
- Linux
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard(弊社製品)
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard+M(同上)
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)+Linux(同上)
※RZ/G1Eのみ
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
高性能リアルタイム処理向けRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standardは、μITRON4.0のスタンダードプロファイルをベースに、32/64ビットプロセッサが搭載された組込みシステム向けのRTOSです。
μC3/Standardは、高性能プロセッサがより高度なリアルタイム制御に耐えられるよう、割込み禁止時間を極力なくし、割込み応答性を最重要課題として設計したRTOSです。
ARM Cortex-Aシリーズ、ARM Cortex-Rシリーズだけでなく、高性能な ARM Cortex-MやRenesas RXシリーズにも対応しています。
マルチコアAMP拡張版RTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard+M」
μC3/Standard+Mは、μC3/StandardにAMP型のマルチコア拡張を追加したマルチコアプロセッサ向けのリアルタイムOSです。
μITRON4.0のスタンダード・プロファイルをベースに、AMP型の特徴を活かしたコア毎の処理・リソースの割り当て、コア間連携のためのAPIを追加しています。
ARM Cortex-Aシリーズを中心にマルチコアのMPUをサポートしています。
LinuxとRTOSの共存ソリューション「μC3(マイクロ・シー・キューブ)+Linux」
μC3+LinuxはマルチコアCPUにLinuxとRTOSを共存させ、OS間の通信を可能にするソリューションです。
種類の異なった2つのOSを共存させることで、RTOSのリアルタイム性能とLinuxが持つ豊富なソフトウェア資産を有効に活用することができます。
RZ/G1とμC3/Standardの導入事例
- 医療機器メーカー製 生体情報モニタ
RZ/G1とμC3/Standard+Mの導入事例
- 医療機器メーカー製 生体情報ベッドサイドモニタ
- 輸送機器メーカー製 ロボット芝刈機
- 電気機器メーカー製 搬送システムコントローラ
RZ/G1とμC3+Linuxの導入事例
- ミシンメーカー製 ミシン