LPC1300シリーズは、NXPセミコンダクターズ(以下NXP社)のマイクロコントローラです。LPC1300シリーズは、Cortex-M3を搭載し、最大72MHzの速度で動作します。また、低消費電力特化したデバイスです。
LPC1300シリーズの製品ラインアップ
LPC1300シリーズの製品ラインアップは、以下の通りです。
- LPC1343
- LPC1342
- LPC1313
- LPC1311
LPC1300シリーズの仕様
LPC1300シリーズの仕様は、以下の通りです。
LPC1343 | LPC1342 | LPC1313/01 | LPC1311/01 | |
---|---|---|---|---|
Flash | 32 KB | 16 KB | 32 KB | 8 KB |
Total SRAM | 8 KB | 4 KB | 8 KB | 2 KB |
USB | Device | Device | – | – |
UART RS-485 | 1 | 1 | 1 | 1 |
I2C/Fast+ | 1 | 1 | 1 | 1 |
SSP/SPI | 1 | 1 | 2 | 2 |
ADC channels | 8 | 8 | 8 | 8 |
Packages | LQFP48, HVQFN33 | HVQFN33 | LQFP48, HVQFN33 | HVQFN33 |
出典:NXP 72 MHz, 32-bit Cortex-M3™ microcontrollers LPC1300
LPC1300シリーズとは
LPCシリーズとは
LPCシリーズは、NXP社が提供しているマイコンのシリーズです。それぞれの特長は以下です。
シリーズ | CPU | メモリ | 特長 | アプリケーション例 |
LPC800 | Arm® Cortex® -M0+ Up to 30 MHz |
16-64 kB Flash 1-16 kB RAM |
エントリーレベル | センサーゲートウェイ |
LPC1100 | Arm® Cortex®-M0/M0+ 50 MHz |
4-256 kB Flash 1-36 kB RAM |
接続性 | ゲーミング周辺機器 |
LPC51U68 | Arm® Cortex®-M0+ 100MHz |
256 KB flash Up to 96 KB total SRAM |
高パフォーマンス、電力効率 | 高機能ゲーミングキーボード |
LPC54000 | Arm® Cortex®-M4 100 MHz、180 MHz、220 MHz デュアルコアオプションあり |
128-512 kB Flash Up to 200 kB RAM |
主流シリーズ | スマートホーム、ビルオートメーション |
LPC1200 | Arm® Cortex®-M0 50 MHz |
32-128 kB Flash 4-8 kB RAM |
ノイズ耐性 | 白物家電 |
LPC1300 | Arm® Cortex®-M3 72 MHz |
8-64 kB Flash 4-12 kB RAM |
エントリーレベルのアップグレード | 一般消費周辺機器 |
LPC1500 | Arm® Cortex®-M3 72 MHz |
64-256 kB Flash 12-36 kB RAM |
モーションコントロール | モーター制御 |
LPC1700 | Arm® Cortex®-M3 Up to 120 MHz |
32-512 kB Flash 8-96 kB RAM |
拡張性、主力シリーズ | スマートエナジー |
LPC1800 | Arm® Cortex®-M3 180 MHz |
Up to 1024 kB Flash 104-200 kB RAM Flashなしオプションあり |
高パフォーマンス、統合性 | セキュアゲートウェイ |
LPC4000 | Arm® Cortex®-M4 120 MHz |
64-512 kB Flash 24-96 kB RAM |
拡張性、主力シリーズ | 医療機器 |
LPC4300 | Cortex-M4 204 MHz マルチコアオプションあり |
Up to 1024 kB Flash 104-282 kB RAM Flashなしオプションあり |
高パフォーマンス、統合性 | 高性能オーディオ |
出典:NXP「NXP® LPC Microcontrollers Q」
LPC1300の特徴
LPC1300シリーズは、最大72MHzの速度で動作するエントリーレベルのMCUを提供します。低消費電力で高レベルの性能を発揮します。LPC1300 MCUは、オンチップPHYおよびROMドライバーを含むフルスピードUSB2.0と、12ビットADCを含む構成可能なアナログシステムを備えており、ピン互換のLPC1100シリーズのアップグレード製品です。
原文は、以下の通りです。
The LPC1300 series offers entry-level MCUs running at speeds up to 72 MHz. They deliver a high level of performance with low power consumption. With Full-Speed USB 2.0 including on-chip PHY and ROM drivers and a configurable analog system including a 12-bit ADC, the LPC1300 MCUs are a design upgrade from our pin-compatible LPC1100 series.
LPC1300シリーズは、Cortex-M3を搭載し、最大72MHzの速度で動作するマイコンです。
LPC1300シリーズは、 Cortex-M0を搭載したLPC1100シリーズと、ペリフェラルとピン配置において互換性があります。このため、少ない手順で簡単にLPC1100シリーズからLPC1300シリーズへのアップグレードが可能です。
また、LPC1300シリーズは、LPCシリーズのうち、Cortex-M3を搭載したデバイスの中で最も低消費電力なデバイスです。
LPC1313 / LPC1311は160μA/MHz、LPC1342 / LPC1343は230μA/MHzで動作します。
LPC1300シリーズのペリフェラル(周辺機器)
LPC1300シリーズは、豊富なペリフェラル(周辺機器)を搭載しています。
LPC1300シリーズのペリフェラル(周辺機器)は、以下の通りです。
- 最大32KBのフラッシュメモリ
- 最大8KBのSRAM
- USBデバイス(LPC134xのみ)
- UART
- I2Cインターフェース
- 最大42個の汎用I / Oピン
など
LPC1300シリーズの使い方(アプリケーション)
前述の通り、LPC1300シリーズは、低消費電力なマイコンです。このため、以下のアプリケーションに適しています。
- 白物家電
- コンシューマー機器
- リモートセンサー
- バッテリー駆動システム
ポイント
- LPC1300は、LPCシリーズのうちのCortex-M3を搭載したデバイスの中で最も低消費電力
- LPC1300は、簡単にLPC1100シリーズからLPC1300シリーズへのアップグレードが可能
- LPC1300は、豊富なペリフェラル(周辺機器)を搭載
LPC1300シリーズの入手方法
LPC1300シリーズのマイコンは、NXP社の正規販売店や以下のオンラインショップなどで購入できます。
LPC1300シリーズの開発環境
LPC1300シリーズに対応した代表的な開発環境は、以下のとおりです。
- MCUXpresso
- IAR Embedded Workbench for ARM
- Arm Keil MDK
- CodeRed Eclipse-based Red Suite
- Hitex HiTOP IDE
LPC1300シリーズの評価ボード
LPC1300シリーズの評価ボードは、下記の通りです。
搭載マイコン | 特徴 | 対象 | データシート | |
---|---|---|---|---|
LPC1343 QuickStart Board | LPC1343 | 21 x 40 mmと小型、SWD / JTAGコネクタを搭載 | すぐに開発をスタートしたい方 | LPC1343 QuickStart Boardのデータシート |
LPC1343 QuickStart Board
LPC1343 QuickStart Boardは、21 x 40 mmの小型な評価ボードです。SWD / JTAGコネクタを搭載しています。
LPC1343 QuickStart Boardは、豊富なインターフェース/コネクタが搭載されているため、すぐに開発をスタートできます。
LPC1343 QuickStart Boardは、「すぐに開発をスタートしたい」という方に最適の評価ボードです。
LPC1343 QuickStart Boardの価格・購入場所
LPC1300シリーズの対応OS
LPC1300シリーズに対応しているOSは以下の通りです。
- FreeRTOS
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。
μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。
- 小さいフットプリント
- マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
- μC3/Configurator付属
- 選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮や、コーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートすることができます。
- 豊富なCPUサポート
- 業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
- 省電力対応
- デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。
詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。
μC3のライセンスの種類・詳細
ライセンスの種類
ライセンスの種類は3つあります。
- 研究開発用プロジェクトライセンス
- 開発量産用プロジェクトライセンス
- プラットフォームライセンス
研究開発用プロジェクトライセンス
研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。
研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。
有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。
開発量産用プロジェクトライセンス
開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。
有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。
プラットフォームライセンス
プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。
※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。
お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。
ポイント
- 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
- 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
- プラットフォームライセンス :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス
ライセンスの詳細
- ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
- 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
- 提供形態 :ソースコード
- 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
- 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
- μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています
ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。
保守について
製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。
また、年間保守費用は製品定価の40%になります。
無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)
*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。
保守サービスには以下が含まれています。
- メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
- 製品の無償バージョンアップ
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