i.MX RT1050は、NXPセミコンダクターズ(以下NXP社)のマイクロコントローラです。Cortex®-M7を1つ搭載し、最大600MHzで動作します。
i.MX RT1050の仕様
MIMXRT1051 | MIMXRT1052 | |
---|---|---|
Core Type | 1 x Arm® Cortex®-M7 | 1 x Arm® Cortex®-M7 |
Operating Frequency [Max] (MHz) | 600 | 600 |
SRAM (Max) (KB) | 512 | 512 |
i.MX RT1050とは
i.MXシリーズとは
i.MXシリーズとは、NXP社が提供しているプロセッサファミリです。i.MXシリーズの特徴は、Arm®コアを搭載し、低消費電力であることです。
i.MXシリーズのラインアップ
i.MXシリーズのラインアップは、以下の通りです。
- i.MX RTシリーズ:産業用IoTアプリケーション向け
- i.MX 6シリーズ :自動車、産業用アプリケーション向け
- i.MX 7シリーズ :ポータブルIoTアプリケーション向け
- i.MX 8シリーズ :グラフィックス、オーディオ、安全性が重要なアプリケーション向け
- i.MX28 :自動車、産業用アプリケーションの電源管理および接続機能向け
i.MX RT1050は、産業用IoTアプリケーション向けの「i.MX RTシリーズ」に属します。
i.MX RTシリーズとは
i.MX RTシリーズとは、NXP社が提供しているマイクロコントローラファミリです。i.MX RTシリーズは、シングルコア、デュアルコアの製品を展開しています。
シングルコアとは
シングルコアとは、コアを1つだけ内蔵したプロセッサのこと。シングルコアは、通常マルチコアと対比する文脈において使われる言葉。
デュアルコア・クアッドコアとは
コアを複数搭載したマルチコアのうち、コアを2つ搭載したものをデュアルコア、コアを4つ搭載したものをクアッドコアと言う。
i.MX RTシリーズは、Cortex®-M4, Cortex®-M7, Cortex®-M33を搭載し、費用対効果の高い価格でリアルタイム機能とMCUの使いやすさを実現します。
i.MX RTシリーズのラインアップ
i.MX RTシリーズのラインアップは、以下の通りです。
- i.MX RT1170 :複数のメディア機能
- i.MX RT1160 :温度範囲対応が広い
- i.MX RT1064 :高度なマルチメディア
- i.MX RT1060 :高速性
- i.MX RT1050 :リアルタイム機能
- i.MX RT1024 :DC-DC コンバーターによる省電力機能
- i.MX RT1020 :低コストでの高パフォーマンス
- i.MX RT1015 :低コストPCBを実現
- i.MX RT1010 :新しいエントリーポイントの提供
- i.MX RT600 :安全性が高い音声操作エンドノード
- i.MX RT500 :チップ上の高い安全性
この記事では、リアルタイム機能が特徴の「i.MX RT1050」を紹介します。
i.MX RT1050とは
i.MX RT1050は使いやすさとレスポンスの速さを両立しています。業界初のクロスオーバーMCUで、産業IoTで幅広く活用されています。
【特長1】遅延性の低さ
i.MX RT1050は20ナノ秒ほどの速度でレスポンスします。そのため、リアルタイムで高いパフォーマンスが可能です。
【特長2】省電力
DC-DCコンバーターを搭載し、業界で最も低い動的電力を実現します。
【特長3】高いマルチメディア性能
GUIおよび拡張HMIを意識した、高いマルチメディア性能を備えています。
仕様
- 2Dグラフィックアクセラレーションエンジン
- パラレルカメラセンサーインターフェース
- LCD ディスプレイコントローラ(最大 WXGA 1366×768)
- 高パフォーマンスのマルチチャンネルオーディオに適した3つのI2S
i.MX RT1050の使い方(アプリケーション)
i.MX RT1050は、以下のアプリケーションに適しています。
- オートバイや小型エンジンの制御
- 住宅やビルのセキュリティおよび監視システム
- 在庫管理やサプライチェーンマネジメントシステム
- フリート分析やドライバー管理システム
- スマート家電製品
i.MX RT1050の入手方法
i.MX RT1050は、NXP社の正規販売店や下記のオンラインショップなどで購入できます。
i.MX RT1050の開発環境
i.MX RT1050に対応した代表的な開発環境は、以下の通りです。
- IAR Embedded Workbench
- MCUXpresso
i.MX RT1050 評価ボード
i.MX RT1050の評価ボードは、以下の通りです。
搭載CPU | 特長 | 対象 | データシート | |
---|---|---|---|---|
i.MX RT1050 Evaluation Kit | i.MX RT1050 | NXP社純正の評価ボード
USBケーブルを同梱 |
NXP社純正の評価ボードを使用したい方
すぐに開発をスタートしたい方 |
i.MX RT1050 Crossover Processors Data Sheet for Industrial Products |
i.MX RT1050 Evaluation Kit
i.MX RT1050 Evaluation Kitは、NXP社純正の評価ボードです。評価ボードの他、USBケーブルが同梱されています。
「NXP社純正の評価ボードを使用したい」「すぐに開発をスタートしたい」という方に最適な評価ボードです。
i.MX RT1050 Evaluation Kitの価格・購入場所
i.MX RT1050の対応OS
i.MX RT1050に対応している主なOSは、以下の通りです。
- Linux
- Android
- FreeRTOS
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard(弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
高性能リアルタイム処理向けRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standardは、μITRON4.0のスタンダードプロファイルをベースに、32/64ビットプロセッサが搭載された組み込みシステム向けのRTOSです。
μC3/Standardは、高性能プロセッサがより高度なリアルタイム制御に耐えられるよう、割込み禁止時間を極力なくし、割込み応答性を最重要課題として設計したRTOSです。
Arm® Cortex®-Aシリーズ、Arm® Cortex®-Rシリーズだけでなく、高性能な Arm® Cortex®-MやRenesas RXシリーズにも対応しています。
- 32/64bitの高性能プロセッサに最適化
- 割り込み応答性を高め、32/64bitの高性能プロセッサ向けに最適化されたμITRON4.0仕様のカーネル。
- 豊富なプロセッサ・サポート
- 業界随一のプロセッササポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサ
- ポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
- マルチコア対応
- 組み込み機器向けに最適なAMP型カーネル。マルチコアによって、リアルタイム性能を強化します。
- 豊富なデバイスドライバを用意
- I2C, SPI, GPIO, SDなどのデバイスドライバをオプションで用意。(UART, Timer, INTCはμC3に、EthernetドライバはμNet3に付属しています。)
詳しい資料をご希望の方は、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてください。
μC3のライセンスの種類・詳細
ライセンスの種類
ライセンスの種類は3つあります。
- 開発量産用プロジェクトライセンス
- プラットフォームライセンス
- 研究開発用プロジェクトライセンス
開発量産用プロジェクトライセンス
開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。
有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。
プラットフォームライセンス
プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。
研究開発用プロジェクトライセンス
研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。
ライセンス費用は、開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。
有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。
ポイント
- 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
- プラットフォームライセンス :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス
- 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録いただく必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。
お客様のご要望にあわせて適切な範囲で設定させていただきますので、まずは、担当営業にご相談下さい。
ライセンスの詳細
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- ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
- 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
- 提供形態 :ソースコード
- 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
- 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
- μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています
ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。
保守について
製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。
無償保守サービス終了後は有償での保守サービスとなります。そのまま継続でのご利用の場合、製品価格(研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の20%、非継続の後に再加入をされたい場合は研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の40%となります。
プロジェクトライセンスと1年間の保守サービスを同時にご購入いただいた場合は、初回に限り15%とさせていただきます。
保守サービスには以下が含まれています。
- 製品の無償バージョンアップ対応
- コンパイラのバージョンアップ対応
- メールによる技術サポートサービス(1営業日以内に1次回答)