
i.MX 8M Quadは、NXPセミコンダクターズ(以下NXP社)のプロセッサです。4つのCortex®-A53と1つのCortex®-M4Fを搭載し、最大1.5GHzで動作します。
i.MX 8M Quadの仕様
MIMX8MQ5C | MIMX8MQ5D | MIMX8MQ6C | PIMX8MQ6C | MIMX8MQ6D | PIMX8MQ6D | |
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Core Type | Arm® Cortex®-A53 | Arm® Cortex®-A53 | Arm® Cortex®-A53 | Arm® Cortex®-A53 | Arm® Cortex®-A53 | Arm® Cortex®-A53 |
Operating Frequency [Max] (MHz) | 1300 | 1500 | 1300 | 1300 | 1500 | 1500 |
L2 Cache (Max) (KB) | 1024 | 1024 | 1024 | 1024 | 1024 | 1024 |
External Memory Supported[Max] | DDR3L SDRAM, DDR4 SDRAM, ECC, LPDDR4 DRAM, NAND FLASH, NOR FLASH, QSPI | DDR3L SDRAM, DDR4 SDRAM, ECC, LPDDR4 DRAM, NAND FLASH, NOR FLASH, QSPI | DDR3L SDRAM, DDR4 SDRAM, ECC, LPDDR4 DRAM, NAND FLASH, NOR FLASH, QSPI | DDR3L SDRAM, DDR4 SDRAM, ECC, LPDDR4 DRAM, NAND FLASH, NOR FLASH, QSPI | DDR3L SDRAM, DDR4 SDRAM, ECC, LPDDR4 DRAM, NAND FLASH, NOR FLASH, QSPI | DDR3L SDRAM, DDR4 SDRAM, ECC, LPDDR4 DRAM, NAND FLASH, NOR FLASH, QSPI |
GPU 2D / GPU 3D | Vivante GC7000-Lite (267Mtri/s) | Vivante GC7000-Lite (267Mtri/s) | Vivante GC7000-Lite (267Mtri/s) | Vivante GC7000-Lite (267Mtri/s) | Vivante GC7000-Lite (267Mtri/s) | Vivante GC7000-Lite (267Mtri/s) |
i.MX 8M Quadとは
i.MXシリーズとは
i.MXシリーズとは、NXP社が提供しているプロセッサファミリです。i.MXシリーズの特徴は、Arm®コアを搭載し、低消費電力であることです。
i.MXシリーズのラインアップ
i.MXシリーズのラインアップは、以下の通りです。
- i.MX RTシリーズ:産業用IoTアプリケーション向け
- i.MX 6シリーズ :自動車、産業用アプリケーション向け
- i.MX 7シリーズ :ポータブルIoTアプリケーション向け
- i.MX 8シリーズ :グラフィックス、オーディオ、安全性が重要なアプリケーション向け
- i.MX28シリーズ :自動車、産業用アプリケーションの電源管理および接続機能向け
i.MX 8M Quadは、グラフィック、オーディオ、安全性が重要なアプリケーション向けの「i.MX 8シリーズ」に属します。
i.MX 8シリーズとは
i.MX 8シリーズとは、NXP社が提供しているプロセッサファミリです。i.MX 8シリーズは、シングルコア、デュアルコア、およびクアッドコアの製品を展開しています。
シングルコアとは
シングルコアとは、コアを1つだけ内蔵したプロセッサのこと。シングルコアは、通常マルチコアと対比する文脈において使われる言葉。
デュアルコア・クアッドコアとは
コアを複数搭載したマルチコアのうち、コアを2つ搭載したものをデュアルコア、コアを4つ搭載したものをクアッドコアと言う。
i.MX 8シリーズは、Cortex®-A72, Cortex®-A53, Cortex®-A35, Cortex®-M4F, Cortex®-M7を搭載しており、高度なグラフィックス、オーディオ、ビデオ向けのアプリケーションに適したデバイスです。
i.MX 8シリーズのラインアップ
i.MX 8シリーズのラインアップは、以下の通りです。
- i.MX 8 :高度なグラフィックス
- i.MX 8M Plus :機械学習
- i.MX 8M :高度なオーディオ
- i.MX 8M Mini :メディアIoT・組み込み産業用IoT
- i.MX 8M Nano :メディアIoT・組み込み産業用IoT
- i.MX 8X :安全性を証明
この記事では、「i.MX 8M」に属するi.MX 8M Quadを紹介します。
i.MX 8M Quadとは
i.MX 8M Quadはi.MX 8M Familyに属し、消費者向けのホームオーディオをはじめ、産業用ビルディングオートメーションやモバイルコンピュータのアプリケーションで、高度なオーディオ、音声、ビデオ処理を実現します。
【特長1】マルチコア処理
i.MX 8M Quadは、4つのCortex®-A53と1つのCortex®-M4Fを搭載しています。Cortex®-A53は最大1.5GHzで動作し、Cortex®-M4Fは最大266MHzで動作します。
【特長2】ビデオ品質
次世代の映像規格である4KやUHD、高画質技術とされるHDR(HDR10方式とHLG方式)に対応しています。
【特長3】プロのニーズに対応したオーディオ機能
20以上のオーディオチャンネルを備え、いろいろな使い方をしたいプロの要求にも対応します。
i.MX 8M Quadの使い方(アプリケーション)
i.MX 8M Quadは、以下のアプリケーションに適しています。
- オートバイや小型エンジンの制御
- 住宅やビルのセキュリティおよび監視システム
- 在庫管理やサプライチェーンマネジメントシステム
- フリート分析やドライバー管理システム
- スマート家電製品
i.MX 8M Quadの入手方法
i.MX 8M Quadは、NXP社の正規販売店や下記のオンラインショップなどで購入できます。
i.MX 8M Quadの開発環境
i.MX 8M Quadに対応した代表的な開発環境は、以下の通りです。
- IAR Embedded Workbench
- MCUXpresso
i.MX 8M Quad 評価ボード
i.MX 8M Quadの評価ボードは、以下の通りです。
搭載CPU | 特長 | 対象 | データシート | |
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Evaluation Kit for the i.MX 8M Applications Processor | i.MX 8M Quad | NXP社純正の評価ボード
電源装置、USBケーブルを同梱 |
NXP社純正の評価ボードを使用したい方
すぐに開発をスタートしたい方 |
i.MX 8M Dual / 8M Quad Lite / 8M Quad Applications Processors Data Sheet for Industrial Products |
Evaluation Kit for the i.MX 8M Applications Processor
Evaluation Kit for the i.MX 8M Applications Processorは、NXP社純正の評価ボードです。評価ボードの他、電源装置とUSBケーブルが同梱されています。
「NXP社純正の評価ボードを使用したい」「すぐに開発をスタートしたい」という方に最適な評価ボードです。
Evaluation Kit for the i.MX 8M Applications Processorの価格・購入場所
i.MX 8M Quadの対応OS
i.MX 8M Quadに対応している主なOSは、以下の通りです。
- Linux
- Android
- FreeRTOS
- μC3(マイクロ・シー・キューブ) +Linux (弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
LinuxとRTOSの共存ソリューション「μC3(マイクロ・シー・キューブ)+Linux」
μC3+LinuxはマルチコアCPUにLinuxとRTOSを共存させ、OS間の通信を可能にするソリューションです。
種類の異なった2つのOSを共存させることで、RTOSのリアルタイム性能とLinuxが持つ豊富なソフトウェア資産を有効に活用することができます。
- 異なったタイプのマルチコアCPUに対応
- ホモジニアス(同一プロセッサ・コアによる構成)とヘテロジニアス(異なるプロセッサ・コアによる構成)の両方に対応しています。
- メーカー提供のLinuxディストリビューションに対応
- CPUベンダーが標準でサポートするLinuxに対応し、アプリケーションの開発が迅速にできます。
- OS間通信をサポート
- メッセージ形式のAPI(RPMsg)を使って、OS間の通信を容易に実現できます。
- OpenAMP仕様を採用
- Multicore Associationによって標準化されたOpenAMPの仕様に対応しています。
- RTOSによる高速ブート
- μC3を先に起動することで高速起動ができます。