Traveo™T2G(※)(CYT4Bx)シリーズは、インフィニオンテクノロジーズ(以下、「インフィニオン」)のマイクロコントローラです。CYT4BF、CYT3BB/CYT4BBはArm®Cortex®-M7Fを搭載し、最大350MHzで動作します。
※発表当時は「Traveo™Ⅱ」で、2022年6月現在は「Traveo™T2G」の名称になっています。
Traveo™T2G(CYT4Bx)シリーズの仕様
CYT4BF | CYT3BB | CYT4BB | |
---|---|---|---|
CPU | 2 x Arm® Cortex®-M7F | Arm® Cortex®-M7F | 2 x Arm® Cortex®-M7F |
CPU Freq. (MHz) | 2 x 350 | 250 | 2 x 250 |
Co-processor(s) | Arm® Cortex® -M0+ | Arm® Cortex® -M0+ | Arm® Cortex® -M0+ |
Flash (Code + Work) (KB) |
8384 + 256 | 4096 + 256 | 4096 + 256 |
RAM (KB) | 1024 | 768 | 768 |
出典:インフィニオンテクノロジー「TRAVEO™ II CYT3BB/4BB/4BF body MCU series」製品ブリーフ
32-bit TRAVEO™ T2G Arm® Cortex® Microcontrollerとは
32-bit TRAVEO™ T2G Arm® Cortex® Microcontrollerとは
TRAVEO™ T2G Arm® Cortex® MicrocontrollerはArm® Cortex®-Mシリーズコアをベースとし、最先端のリアルタイムパフォーマンス、安全性、およびセキュリティ機能が特長です。ハイブリッド車や電気自動車(HEV / EV)、ボディエレクトロニクスのモーター制御などに使用されています。
出典:32-bit TRAVEO™ T2G Arm® Cortex® Microcontroller
32-bit TRAVEO™ T2G Arm® Cortex® Microcontroller のサブカテゴリー
32-bit TRAVEO™ T2G Arm® Cortex® Microcontroller のサブカテゴリーは、以下の通りです。
- CYT4BFシリーズ: Arm®Cortex®-M7Fを搭載。ボディコントロールモジュール、ゲートウェイ、およびインフォテインメントアプリケーション向け
- CYT3BB/CYT4BBシリーズ:Arm®Cortex®-M7Fを搭載。ボディコントロールモジュール、ゲートウェイ、およびインフォテインメントアプリケーション向け
- CYT2BLシリーズ:Arm®Cortex®-M4を搭載。4MBフラッシュメモリ付帯。電力駆動、ボディコントロールモジュール、ゲートウェイ、インフォテインメントアプリケーションなどの自動車アプリケーション向け
- CYT2B9シリーズ:Arm®Cortex®-M4Fを搭載。2MBフラッシュメモリ付帯。自動車アプリケーション向け
- CYT2B7シリーズ:Arm®Cortex®-M4Fを搭載。1MBフラッシュメモリ付帯。自動車アプリケーション向け
- CYT2B6シリーズ:Arm®Cortex®-M4を搭載。512KBフラッシュメモリ付帯。自動車アプリケーション向け
出典:32-bit TRAVEO™ T2G Arm® Cortex® Microcontroller サブカテゴリー
CYT4Bxシリーズとは
CYT4Bxシリーズとは
CYT4Bxシリーズは、インフィニオンが提供しているマイクロコントローラで、デュアルコアの製品を展開しています。
シングルコアとマルチコアについては以下で解説しています。
シングルコアとは
シングルコアとは、コアを1つだけ内蔵したプロセッサのこと。シングルコアは、通常マルチコアと対比する文脈において使われる言葉。
デュアルコア・クアッドコアとは
コアを複数搭載したマルチコアのうち、コアを2つ搭載したものをデュアルコア、コアを4つ搭載したものをクアッドコアと言う。
【特長1】機能安全性
メモリ保護ユニット、周辺保護ユニット、ウォッチドッグタイマー、電圧検知機能、全セーフティクリティカルメモリ(SRAM, flash, TCM)におけるハードウェアエラー制御機能(SECDED ECC)を搭載しており、ASIL-Bに準拠する機能安全性が特長です。
【特長2】省電力コントロール
2.7~5.5Vの省電力範囲で操作できます。アクティブ状態、スリープ状態、ハイバネートモードのきめ細かい電力コントロールやブラウンアウト検出機能(BOD)のオプション設定も可能です。
【特長3】高速なデータ転送に対応
イーサネットAVB、CAN-FD、およびFlexRayを経由することで、より高速で安全な通信を実現し、高速なデータ転送をサポートします。
出典:インフィニオン「TRAVEO™ T2G CYT4BF Series」「TRAVEO™ T2G CYT3BB/CYT4BB Series」
「TRAVEO™ T2G CYT4BF Series Data Sheet」「TRAVEO™ T2G CYT3BB/4BB Data Sheet」
CYT4Bxシリーズの使い方(アプリケーション)
CYT4Bxシリーズは、以下のアプリケーションに適しています。
- 自動車用アプリケーション(ボディコントロールモジュール、ゲートウェイ、インフォテインメントアプリケーション)
CYT4Bxシリーズの入手方法
CYT4Bxシリーズは、インフィニオン社の正規販売店や下記のオンラインショップなどで購入できます。
CYT4Bxシリーズ 評価ボード
CYT4Bxシリーズの評価ボードを紹介します。
サポートCPU | 特長 | ユーザーマニュアル | |
---|---|---|---|
CYTVII-B-H-4M-176-CPU | CYT3BB/CYT4BBシリーズ | Type-BミニUSBケーブル、12VAC-DCユニバーサル電源アダプター、ネジとスペーサーを同梱 | CYTVII-B-H-4M-176-CPU Board Quick Start Guide |
CYTVII-B-H-8M-176-CPU | CYT4BFシリーズ | CYT4BFシリーズ用の評価ボード | CYTVII-B-H-8M-176-CPU Evaluation Board User Guide |
CYT4Bxシリーズの対応OS
CYT4Bxシリーズに対応している主なOSは、以下の通りです。
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact (弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。
μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。
- 小さいフットプリント
- マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
- μC3/Configurator付属
- 選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮やコーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートできます。
- 豊富なCPUサポート
- 業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実。使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
- 省電力対応
- デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。
詳しい資料をご希望の方は、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてください。
μC3のライセンスの種類・詳細
ライセンスの種類
ライセンスの種類は3つあります。
- 開発量産用プロジェクトライセンス
- プラットフォームライセンス
- 研究開発用プロジェクトライセンス
開発量産用プロジェクトライセンス
開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。
有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。
プラットフォームライセンス
プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。
研究開発用プロジェクトライセンス
研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。
ライセンス費用は、開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。
有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。
ポイント
- 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
- プラットフォームライセンス :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス
- 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録いただく必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。
お客様のご要望にあわせて適切な範囲で設定させていただきますので、まずは、担当営業にご相談下さい。
ライセンスの詳細
-
- ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
- 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
- 提供形態 :ソースコード
- 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
- 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
- μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています
ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。
保守について
製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。
無償保守サービス終了後は有償での保守サービスとなります。そのまま継続でのご利用の場合、製品価格(研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の20%、非継続の後に再加入をされたい場合は研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の40%となります。
プロジェクトライセンスと1年間の保守サービスを同時にご購入いただいた場合は、初回に限り15%とさせていただきます。
保守サービスには以下が含まれています。
- 製品の無償バージョンアップ対応
- コンパイラのバージョンアップ対応
- メールによる技術サポートサービス(1営業日以内に1次回答)