LPC5411xは、NXPセミコンダクターズ(以下NXP社)の高性能マイクロコントローラです。
LPC5411xは、Arm Cortex-M4/M0を搭載し、デュアルコアアーキテクチャの高性能と柔軟性を担保しています。
LPC5411xの仕様
Core type | Operating Frequency [Max] (MHz) | Flash (kB) | SRAM (kB) | CAN | Serial Communication | USB Controllers | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
LPC54113J256BD64 | Cortex-M4 | 150 | 256 | 192 | 2 | 8 x I²C, 8 x SPI, 8 x UART | 1 |
LPC54113J256UK49 | Cortex-M4 | 150 | – | 192 | 2 | 8 x I²C | 1 |
LPC54114J256BD64 | Cortex-M4 Cortex-M0+ |
150 | 256 | 192 | 2 | 8 x I²C, 8 x SPI, 8 x UART | 1 |
LPC54114J256UK49 | Cortex-M4 Cortex-M0+ |
150 | – | 192 | 2 | 8 x I²C | 1 |
LPC5411xとは
LPC54000シリーズとは
LPC54000シリーズは、NXP社が提供しているマイコンのシリーズです。LPC54000シリーズは、高解像度LCDコントローラと音声認識技術を統合しています。
LPC54000シリーズは、3つのファミリに分けられています。
- LPC540xx:フラッシュレス設計とセキュリティ統合
- LPC541xx:高いスケーラビリティと機能統合
- LPC546xx:高い柔軟性とパフォーマンス
LPC5411xは、LPC541xxファミリに属します。
LPC5411xのラインアップ
LPC5411xは、以下の2種類に分けられます。
- LPC54113
- LPC54114
LPC5411xの特徴
LPC541xx MCUは電力効率の良いArm®Cortex-M4をベースにしており、それぞれにオプションのCortex®-M0+コプロセッサーが搭載されています。Cortex-M4シングルのオプションは、ソフトウェアパーティショニングなしのシングルコア処理を重視するアーキテクチャで利用できます。
LPC54110ファミリーのオプションの専用オンチップデジタルマイク(DMIC)サブシステムは、音声入力と処理を必要とするアプリケーションの電力も大幅に削減し、バッテリー駆動製品の常時オンの音声起動に必要な厳しい電力効率を実現します。
原文は、以下の通りです。
LPC541xx MCUs are based on the power-efficient Arm® Cortex-M4 core, each with an optional Cortex®-M0+ coprocessor. Single Cortex-M4 options are available for architectures that value single core processing without software partitioning.
The optional dedicated on-chip digital microphone (DMIC) subsystem on the LPC54110 family will also dramatically reduce power in applications that demand voice input and processing, achieving the stringent power efficiencies required for always-on voice-activation in battery-operated products.
LPC5411xは、Cortex-M4を搭載したマイコンです。
LPC5411xのうち、LPC54113は、Cortex-M4を搭載したシングルコアのマイコンです。
シングルコアとは、コアを1つだけ内蔵したプロセッサのこと。シングルコアは、通常マルチコアと対比する文脈において使われる言葉。
一方、LPC54114は、Cortex-M4とCortex-M0+の2つを搭載した、デュアルコアのマイコンです。
デュアルコアとは、マルチコアの種類の一つ。コアを2つ搭載したマルチコアのこと。
マルチコアとは、1つのCPUの中に複数のCPUコアを内蔵する技術のこと。マルチコアのプロセッサは、複数の処理を並列しておこなうことで、シングルコアに比べ高い処理能力を実現している。
LPC54114では、処理負荷の低いタスクを実行する際、Cortex-M4 をシャットダウンし、代わりにCortex-M0+を使用できます。これにより、消費電力を低減できます。
また、大容量SRAM上でプログラムを動作させることで、電力効率をより向上できます。
更に、LPC5411xは、高解像度LCDコントローラとステレオDMICを搭載しています。
NXP社が呼称しているマイクのインターフェースや音声検出回路、音声検出エンジンのこと。
これにより、音声の検出・認識の制御がマイコン上で可能になります。このためLPC5411xは、クラウド上での処理を必要とすることなく、家電製品などでも活用できます。
LPC5411xのデータシートは、下記をご覧ください。
LPC5411xの入手方法
LPC5411xのマイコンは、NXP社の販売代理店や以下のオンラインショップなどで購入できます。
LPC5411xの開発環境
LPC5411xに対応した代表的な開発環境は、以下の通りです。
- MCUXpresso IDE
- Arm Keil MDK
- IAR Embedded Workbench for ARM
LPC5411x評価ボード
LPC5411xの評価ボードは、以下の通りです。
搭載マイコン | 対象 | |
---|---|---|
LPCXpresso54114 | LPC54114 | 初心者 |
LPC54114 Audio and Voice Recognition Kit | LPC54114 | 音声認識機能を中心に評価したい方 |
LPCXpresso
LPCXpresso 54114は、NXP社純正の低コストな評価ボードです。LPCXpresso 54114には、Arduino UNO R3に基づく拡張オプションがあります。
Arduinoは、電子工作用プラットフォーム。初心者にも扱いやすいのが特徴。
このため、初心者でも評価が可能な評価ボードです。
LPC54114 Audio and Voice Recognition Kit
LPC54114 Audio and Voice Recognition Kitは、LPCXpresso54114にデジタルマイク/オーディオコーデック/ OLEDディスプレイを追加したものです。
このため、LPC54114 Audio and Voice Recognition Kitは、「音声認識機能を中心に評価したい」という方に最適の評価ボードです。
LPC5411xの対応OS
LPC5411xに対応しているOSは以下の通りです。
- ThreadX
- FreeRTOS
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。
μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。
- 小さいフットプリント
- マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
- μC3/Configurator付属
- 選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮や、コーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートすることができます。
- 豊富なCPUサポート
- 業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
- 省電力対応
- デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。
詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。
μC3のライセンスの種類・詳細
ライセンスの種類
ライセンスの種類は3つあります。
- 研究開発用プロジェクトライセンス
- 開発量産用プロジェクトライセンス
- プラットフォームライセンス
研究開発用プロジェクトライセンス
研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。
研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。
有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。
開発量産用プロジェクトライセンス
開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。
有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。
プラットフォームライセンス
プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。
※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。
お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。
ポイント
- 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
- 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
- プラットフォームライセンス :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス
ライセンスの詳細
- ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
- 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
- 提供形態 :ソースコード
- 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
- 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
- μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています
ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。
保守について
製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。
また、年間保守費用は製品定価の40%になります。
無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)
*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。
保守サービスには以下が含まれています。
- メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
- 製品の無償バージョンアップ
LPC5411xとμC3/Compactの導入事例
- 電機メーカー製 スピーカーシステム
など