TX03シリーズは、東芝デバイス&ストレージ(以下東芝)の汎用マイクロコントローラです。
TX03シリーズは、Cortex-M3を搭載しており、幅広いアプリケーションに対応しています。また、東芝独自の高速フラッシュメモリを搭載しています。
TX03の仕様
TX03 3V 電源製品の仕様
M310 | M330 | M340 | |
---|---|---|---|
ビット数(bit) | 32 | 32 | 32 |
最大ROMサイズ(Kbyte) | 0 | 512 | 1024 |
最大RAMサイズ(Kbyte) | 21 | 32 | 64 |
最大DMAコントローラー(ch) | 32 | – | 6 |
最大I/Oポート数(本) | 23 | 78 | 63 |
CAN(ch) | – | – | – |
UART(ch) | – | – | – |
Full UART(ch) | – | – | 1 |
最大UART/SIO(ch) | 1 | 3 | 3 |
I2C(ch) | – | – | 1 |
USBホストコントローラー(Full Speed)(ch) | – | – | – |
USBホストコントローラー(Hi-Speed)(ch) | – | – | – |
USBデバイスコントローラー(Full Speed)(ch) | – | – | – |
パッケージ | LQFP48-P-0707-0.50C | LQFP64-P-1010-0.50E LQFP100-P-1414-0.50H |
P-VFBGA142-0707-0.50-001 P-VFBGA162-0707-0.50-001 |
最大ピン数 | 48 | 100 | 162 |
TX03 5V 電源製品の仕様
M370 | M380 | |
---|---|---|
ビット数(bit) | 32 | 32 |
最大ROMサイズ(Kbyte) | 512 | 512 |
最大RAMサイズ(Kbyte) | 32 | 32 |
最大DMAコントローラー(ch) | – | 2 |
最大I/Oポート数(本) | 82 | 121 |
CAN(ch) | – | – |
UART(ch) | – | – |
Full UART(ch) | – | 1 |
最大UART/SIO(ch) | 4 | 5 |
I2C(ch) | 1 | – |
USBホストコントローラー(Full Speed)(ch) | – | – |
USBホストコントローラー(Hi-Speed)(ch) | – | – |
USBデバイスコントローラー(Full Speed)(ch) | – | – |
パッケージ | LQFP100-P-1414-0.50H LQFP44-P-1010-0.80A LQFP48-P-0707-0.50C LQFP64-P-1010-0.50E P-VQFN32-0505-0.50-003 QFP100-P-1420-0.65Q SSOP30-P-300-0.65 |
LQFP100-P-1414-0.50H LQFP144-P-2020-0.50E LQFP64-P-1010-0.50E QFP100-P-1420-0.65Q QFP64-P-1414-0.80A |
最大ピン数 | 100 | 144 |
TX03とは
TX03シリーズは、Cortex-M3を搭載しており、幅広いアプリケーションに対応しています。
TX03シリーズは、東芝独自の高速フラッシュメモリ「NANO FLASH」を搭載しています。
フラッシュメモリとは
フラッシュメモリは、記憶装置の1つであり、電源を切っても記憶内容が維持される、不揮発性の半導体メモリ・ROM。本来データの消去や書き込みができないROMの中でも、フラッシュメモリは例外的にデータの消去や書き込みができる。
NANO FLASHとは
東芝製のフラッシュメモリ。NAND型フラッシュメモリの高速書き換えと、NOR型フラッシュメモリの高速ランダムアクセスの2つの特徴を併せ持つ。これにより、高速アクセスが可能。
TX03の製品ライン
3V 電源製品 | M310グループ | 24ビットΔΣ型ADコンバーターを内蔵 |
M330グループ | 低消費電力モード 動作CEC | |
M340グループ | 高分解能PPG出力 | |
M360グループ | 豊富なシリアル インターフェース | |
5V 電源製品 | M370グループ | ベクトルエンジン内蔵 |
M380グループ | IGBT制御用 多目的タイマー内蔵 | |
車載製品 | M350グループ | 車載向け |
TX03シリーズの入手方法
TX03シリーズのマイコンは、以下の東芝の特約店やオンラインディストリビューターなどで購入できます。
TX03シリーズの開発環境
TX03シリーズに対応した代表的な開発環境は、以下のとおりです。
- Arm Keil MDK
- IAR Embedded Workbench for Arm
- Eclipse統合開発環境
- SEGGER Embedded Studio
- MULTI
- Dpas-M3
- MDK-Toshiba
TX03評価ボード
TX03に対応した主な評価ボードは、以下の通りです。
評価ボード | 搭載マイコン | 対象 |
---|---|---|
KSK-TMPM364-JL | TMPM364LCD | LCDコントローラを中心に評価したい |
TX03 M367 IoT-Engine Starter Kit | TMPM367 | IoT機器を素早く開発したい |
UTMPM369RB | TMPM369 | 様々な試作がしたい |
TMPM37A-SBK | TMPM37A | ブラシレスDCモータ(BLDCモータ)のベクトル制御評価がしたい |
KSK-TMPM364-JL
KSK-TMPM364-JLは、TMPM364マイコンを搭載しています。
KSK-TMPM364-JLは、LCDコントローラが搭載されています。このため、LCDコントローラを中心に評価したいという方に最適の評価ボードです。
LCDコントローラ(LCDC)
LCDコントローラ(LCDC)とは、LCDを制御するICのこと。LCDコントローラは、表示画像データや制御情報をCPU から受け取り、データおよび同期信号をLCDへ出力する。
TX03 M367 IoT-Engine Starter Kit
TX03 M367 IoT-Engine Starter Kitは、TMPM367を搭載しています。
IoT-Engine Starter Kitは、IoTデバイスを開発するために必要なハードウェア・ソフトウェアをワンパッケージにしています。このため、TMPM367でIoT機器を素早く開発したいという方に最適の評価ボードです。
UTMPM369RB
UTMPM369RBは、TMPM369を搭載しています。
UTMPM369RBは、評価用のWiFi/BLE/FPGAをサポートしています。このため、様々なアプリケーションの評価を行いたいという方に最適の評価ボードです。
TMPM37A-SBK
TMPM37A-SBKは、TMPM37Aを搭載しています。
TMPM37A-SBKは、24VのブラシレスDCモータ(BLDCモータ)が同梱されています。このため、ブラシレスDCモータ(BLDCモータ)のベクトル制御評価をすぐにスタートしたいという方に最適の評価ボードです。
ブラシレスDCモータ(BLDCモータ)とは
ブラシレスDCモータ(BLDCモータ)は、モータの一種。ブラシではなく永久磁石によってコイルを回転させている。ブラシがないため、耐久性が高く、電気的ノイズが小さいのが特徴。TX03シリーズでは、M370に搭載されている。
TX03シリーズの対応OS
TX03に対応している主なOSは、下記の通りです。
- embOS
- μT-Kernel
- ThreadX
- ThreadX-µITRON
- UDEOS4
- TOPPERS-Pro/ASP
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。
μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。
- 小さいフットプリント
- マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
- μC3/Configurator付属
- 選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮や、コーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートすることができます。
- 豊富なCPUサポート
- 業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
- 省電力対応
- デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。
詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。
μC3のライセンスの種類・詳細
ライセンスの種類
ライセンスの種類は3つあります。
- 研究開発用プロジェクトライセンス
- 開発量産用プロジェクトライセンス
- プラットフォームライセンス
研究開発用プロジェクトライセンス
研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。
研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。
有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。
開発量産用プロジェクトライセンス
開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。
有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。
プラットフォームライセンス
プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。
※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。
お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。
ポイント
- 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
- 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
- プラットフォームライセンス :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス
ライセンスの詳細
- ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
- 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
- 提供形態 :ソースコード
- 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
- 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
- μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています
ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。
保守について
製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。
また、年間保守費用は製品定価の40%になります。
無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)
*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。
保守サービスには以下が含まれています。
- メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
- 製品の無償バージョンアップ
TX03とμC3/Compactの導入事例
- 電機メーカー製 高圧計器向けスマートメーター通信端末
- 輸送機器メーカー製 デジタル表示器